コラム

ラディカルグッドスピード

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いきなりですが、皆さんは早送りで映画を観るのはアリですか?ナシですか?

今年に入ってから色々なメディアで倍速視聴の是非に関する議論が交わされているの目にします。
情報番組で取り上げられる際には、否定的な意見を出演者が述べる場面(テレビ媒体だからか)を見かけましたが、中には映画やドラマに出演する俳優が倍速視聴を公言している場面もありました。

この話題に一石投じたのが、今年の4月に光文社新書から刊行された『映画を早送りで観る人たち』です。センセーショナルなタイトルで、刊行してしばらくは著者の稲田豊史さんがテレビに出演する姿やインタビューが掲載されているのを見かけました。
この本は「倍速視聴は良い/悪い」といったことを議論する内容ではなく、そもそも「倍速視聴ってどういうこと?」という方に向けて、「する人たち」が倍速に至った経緯や背景を解説した内容になっています。
自分自身、大学生の頃に倍速視聴を始めて10年ほど経ちますが、今の大学生たちが倍速視聴する理由や背景について、共感できる部分もあればそれはちょっと……と思う部分もありました。自分が倍速視聴する一番の理由は、作品が合わないと感じた際になんとか最後まで見るための手段なのですが(コメディ映画のギャグ部分が合わないなーと思いつつ、メインの話自体は最後まで見たいといった時など)、そんな倍速許容派の自分でもシーン飛ばしという過激派の存在には驚きました。
サブスク等に備わっている、「○秒飛ばし」という機能について、改めて見直す際に目当ての場面が決まっていて、そこまで飛ばすためのものだと思っていたのですが、初見でこの機能を使い飛ばし飛ばし視聴する人たちが一定数いるようです。

「速さ/早さ」の追求は映像作品だけでなく、音楽やゲームなどあらゆる分野で影響を与えています。自分が聞きかじった簡単な例を挙げると、
音楽:聴いてもらうために1曲を2分半~3分くらいで作る、前奏を無くしていきなりサビで始めるなど
ゲーム:イベントや戦闘の倍速機能、オート周回機能の実装など
今やクリエイター側が時間をかけずに楽しんでもらうにはどうすればいいかを考えるようになっています。
こうした時短に価値を見出して効率を求めることをタイパ(タイムパフォーマンス)というそうですが、何も今の10代20代が急に生み出した価値観ではありません。
「時は金なり」という格言がありますが、これは270年も前に世に出た考えです。日本では江戸幕府が終わるかどうかという頃です。270年も続けは速さ(早さ)を求めるのはもはや1つの文化と言ってもいいのではないじょうか。

先の『映画を早送りで観る人たち』ですが、読むのに事前知識がいるなどの心配は無用です。
せっかくの秋の夜長、新しいようで古い倍速視聴という文化を知るためにぜひ『時間』を使って読んでみてほしい1冊です。


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