コラム

山で出会えるもの

クロスメディア部

「ちょっとおなかですぎちゃう?」
当時の恋人に指摘され続けていた、長年の問題。自分ひとりで解決できるなら苦労はない。
「山に行こう!」
え、ちょっと待って、体育2以上とったことなくて社会人になってから運動したことない私が、登山?
「無理だよ、ぜったい無理」
「いいから、その靴でちゃちゃっと行こう!」
そんな初登山は福島県にある磐梯山1816m。かつて活火山だった赤い岩を乗り越えるだけで息が切れる。頂上間際はロープがないと登れないくらいの急坂で、靴擦れはできるわ頂上は大混雑で座ることもできないわで、絶対忘れられない悪夢でした。

それから数年。相変わらず体力は0ですが、毎月のように山に行くようになりました。そうすると意外なものに出会えます。
奥多摩ではニホンカモシカに何度も出会いました。シカという名前ですが牛の仲間で、人間に出くわすと驚いて走り出し、どんな坂でも一息で登り切ります。人がいないところでのんきに水を飲んでいるところを見つけると、突然猪のように走り出すのでこっちが驚かされます。

191223奥多摩駅の少し手前にある御嶽駅からバスとケーブルカー、さらに舗装されてはいるものの急な坂道を登ると御岳神社があります。ここはニホンオオカミが奉られていることもあり、犬神様として信奉され、ペットの犬がたくさんお参りしています。大型犬は自分の足で散歩がてらすいすい登っていきますが、中には階段を上れないくらい短い足の小型犬もいて、飼い主が抱き上げて運んでいることも。自分の足で登らなくても御利益はあるのでしょうか。

191223-2埼玉県の越生駅からバスで行ける黒山三滝には立派な滝があります。名前の通り3つの滝があるのですが、その中の一つで冬虫夏草が見つかることも。ガンに効く? かもしれないと噂の冬虫夏草。その名の通り、春までは虫として生きているのに、特定の菌に感染すると虫は死んでしまい、その体を養分としてキノコが生えてきます。いくらガンに効くと言われても、ちょっと口にはしたくない感じの形や色です。

都心から山へ行くにはなかなか大変そうに思えますが、新宿から奥多摩へは1.5時間程度で、休日ならJRの「休日おでかけパス」を使うと自由に途中下車もできるようになります。寒さに十分対策すれば、お正月のご来光を迎えるのに意外な穴場かもしれません。

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