コラム

本のはなし

営業部

皆さんご存じBTSが先日デビュー10周年となりました!
興味のない方もいるでしょう・・・。
とは言え最近は韓国アーティストが取り上げた本が話題になったり
原作が小説の映画が公開後日本でも反響を呼んだり、
韓国の音楽以外にも秀でたカルチャーを誰でもが以前よりも手に取りやすくなってたきたように感じます。

しかしそんな中でも「K-POP聞かないし・・・」「韓国ドラマ見ないし・・・」
という方にも気軽に手に取ってほしいな、と思うのが韓国文学です。
雑誌などのメディアでもここ数年は特集がとても増えてきました。

ひとつの「小説」「文学」として読み進めると、非常に興味深い作品が沢山あります。

当社でもそんな作品を印刷する機会もいただき、
その中から個人的におすすめの作品をいくつかあげさせていただきます。
話題になった作品ばかりなので、ご存じの方も多いでしょうが、どこがそんなに魅力的なのか?
それを少しでも感じていただければ嬉しいです。

■『アーモンド』
アーモンドあらすじ等は特設サイトのこちらから↓
https://www.shodensha.co.jp/almond/
2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位となり、当時話題になった作品。

中々の衝撃があり一気に読み進めてしまったのを覚えています。
作者のあとがきの一文
「でも私は、人間を人間にするのも、怪物にするのも愛だと思うようになった。そんな話を書いてみたかった。」
子を育てている自分には特に刺さるひとことでした。
しかし子に対してだけでなく人との接し方についても考えてしまう、そんな作品です。
読了後数日は思考をこの本に乗っ取られます。
未読の方には是非読んでいただきたい、と個人的に強く思います。

■『きみは知らない』
きみは知らないあらすじ等は特設サイトのこちらから↓
https://www.shinsensha.com/books/3981/
まるで映画を観ているかのように描写が頭に浮かんできます。
家族でもそれは個の集まり。目の前にいる家族の姿、それが全てではないとわかっていながら、知った気になっている自分がいました。
著者、訳者の言う次の言葉に納得の一冊です。
【「家族小説ではなく、家族の中の個人を書いたもの」であり、「何もかも見せているようで隠し、隠しているようでも真実を見せる個人を、家族というつながりのなかで観察した」物語である。】

■『三十の反撃』
三十の反撃あらすじ等は特設サイトのこちらから↓
https://www.shodensha.co.jp/sanjyuu/
『アーモンド』の著者ソン・ウォンピョンの次の作品。

『アーモンド』読了後、同じ著者の作品をもっと読んでみたいと著者の事を調べると、
この作品の存在を見つけましたが当時は訳されていませんでした。
その後翻訳を待ち続けていたところ、同じ祥伝社様から刊行、そして当社印刷、
そして何と2022年屋大賞翻訳小説部門第一位!
2冠連続なのは史上初とのことです。

大人になるにつれて、社会との温度差、自分との向き合い、理不尽さ、はがゆさ、
そんな事で悶々とする日々があるかと思います。
それは自分次第で終わりはない日々にもなりますが、世界は変わらずとも、自分の視点を小さな行動と共に変える事で息が出来る、先に進む事が出来るようになる、ということ。
そんな事を考えさせてくれる作品でした。

音楽もドラマも映画もとても好きです。
けれど本にしかない魅力はやはり大きい!

そんな韓国文学、まずはおひとついかがですか?
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