コラム

新遠野物語

製造部

遠野の風景みなさんは『遠野物語』をご存知でしょうか?
これは柳田國男が編纂した、遠野に伝わる民話を集めたものです。

私たちは、6月に行われた当社の遠野事業所見学会(気候にも恵まれ大変楽しい物でした)の際、それを耳にすることができました。
暖かな方言で語られたその物語は、非常に興味深いものだったのですが、最近、新しく素敵なお話を聞くこととなりました。

私が通う病院の待合室で順番を待っていた時、ふとテレビに目を向けると、3年前の東日本大震災の映像と共に遠野市の話が流れてきました。

とても感慨深い内容でした。大地震と大津波が起きた後、大鎚町から緊急援助を求める人が遠野市へ駆けつけ、遠野市がそれに応じ、市役所職員の佐々木徹さんと、もう1人若い職員が援助物資運搬を志願し、無事送り届けたと言う事でした。

余震の恐怖、3月の寒さに耐え、日も昇らない中、深い闇を押しての行為です。なかなか出来る事では有りませんよね。

いま日本の、特に地方が抱える大問題 、
“過疎化と少子化”そして、それ故に私たちが考えていくべき<共生>を、あの地震の混乱の中、遠野市は共同体どうし、迅速な対応で手を取り合うことで実践したのですね。

これは立派な、現代の『新しい遠野物語』と言っても良いのではないでしょうか。

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