コラム

入学式

営業部

 先日、子供の入学式がありました。子供といっても大学生。大学の入学式に親が出席なんてちょっと過保護ではと私は思ったのですが、妻が行きたがったので夫婦で式に出席する事となりました。
 
 会場は大型ホテルの会議センターを利用して開催されました。親がついて来ているのが私たち夫婦だけだったら、子供が嫌がらないかなとか少し気になりましたが、会場が近くなるにつれてそれは杞憂に終わりました。
 会場に向かう途中の電車からいかにも出席者と思われる人たちが増えていき、そのほとんどが親子での参加で家庭によってはご両親だけでなく兄弟や祖父母と思われる人も同行していました。
 会場での式が終わると、子供は同じ学校から入学した友人たちとの写真撮影や、沖縄出身の新しく出来た友人たちとライン交換をしていました。
 後で聞いた話ですが、今の大学は入学式の前から新入生にとても細やかなガイダンス等を何度も行い、学生が新しい環境に早く馴染めるように色々工夫を凝らしているそうです。

 そんな時、ふっと30年前の私の大学入学式を思い出しました。私は同じ学校出身者もいなかったし、ましてや親と一緒に行くなんて考えもしなかったので、入学式会場では最初から最後まで一人。何とも居心地の悪い入学式でした。
 入学後も手探りで情報を集め部活やサークルを訪問していたあの頃の不安な気持ちがよみがえってくると、今の子供は恵まれているなと感じました。

 先日、このことをある編集者の方に話すとその方は「だから今の大学は駄目なんです」とおっしゃいました。その方がおっしゃるには新しい環境になじむ工夫や友達作りそうした困難をそれこそ手探りで克服していく方法を探す事が、大学まで行って勉強する人間に求められているのに、今の大学は先回りして全て学生に教えてしまう。こうして自分で考えることが出来ない学生が増えていると、、、

 確かにその方がおっしゃることも正しいのかなとも思いましたが、大学も長い月日の中で試行錯誤しながら改善しているではとも思い、なんとも複雑な感情が湧きました。
 まあ、何はともあれ、子供にとってこの大学生活が充実した日々になることを願う毎日です。
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