コラム

ミステリーと猫の本屋

営業部

 今、横溝正史の『本陣殺人事件』を読んでおります。
 これまで『八つ墓村』『犬神家の一族』など結構有名なものは読んでいましたが、取引先の方とミステリーの話で盛り上がった際、「横溝正史の『本陣殺人事件』はオススメですよ」というお言葉をいただいたので、手にとってみました。

 読み進めていくと、文章が上手だなと改めて思います。文中の情景が脳内にパッと浮かぶ。横溝先生の作品はまるでこちらがビデオカメラ片手に作中の世界に入り込んでいる感覚にとらわれるのです。
 ちなみに、横溝正史と仲の良かった江戸川乱歩は、「こういう嗜好が好き!」というメッセージを思いっきり受け取り、「はい! 私もこれ大好きです! ありがとうございます!」と頭の中の乱歩先生に握手を求めながら読む作品が多いです(例を挙げると『屋根裏の散歩者』『蟲』がまさにそれです)。

 話が脱線してしまいましたが、その『本陣殺人事件』を買ったのが、三軒茶屋駅の徒歩圏内にあります、「Cat’s Meow Books(キャッツミャウブックス)」という本屋です。
 この本屋、猫関連の本だけを取り扱っており、しかも書店員が猫! 店の奥に、コーヒーやお酒を飲みながら本を読むことのできるスペースがあるのですが、そこに猫店員さんたちがいらっしゃいました。売り物である本の上にどっかり乗ってくつろいじゃって……。でもいいのです。猫だから。
 実際の様子を写真におさめればよかったのですが、おねむな猫様にパシャパシャとカメラを向けるのは申し訳ないのでさすがにやめました。
 しかし、なぜ猫関連の本ばかりのこの書店に『本陣殺人事件』があったのか? 実はこの本、表題作の他に『黒猫亭事件』という作品がありまして。……それで猫本に加えてもらえるのか、と驚きました。
 素敵な本はいつどんなかたちで出逢えるか分からないものです。

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