コラム
読書の夏の思い出
営業部
今年もまだ6月というのに、すでにじんわりと暑くなってきましたね…。
また猛暑になるのかと、今からうんざりしています。
夏になると毎年思い出すのが、小学校3年生のときの夏休みです。
某半島の端の端でのんびりと過ごしていた子供時代、小2から自転車をせっせとこいで一人で片道20分ほどのピアノ教室に通っていました。
教室に行く途中の道を逸れて少し進むと、海沿いにポツンと公民館がありました。
何をきっかけでその公民館に行って、どうして中に入ったのかは覚えていませんが、とにかく3年生の夏のある日、その公民館の図書室にたどり着きました。
薄暗くてひんやりした一階を抜けて2階にあがるとすぐ右手に図書室がありました。
中に入るとこじんまりとしていながらも、大きな窓から海が見えるとても明るい図書室でした。
棚の間をふらふらと歩き回って見つけたのは、モーリス・ルブランの怪盗ルパン全集。
最初に手にとったのは、なぜか2巻の【怪盗紳士】。
表紙のいかつい雰囲気と「ルパン」という文字に興味をそそられたのだと思います。
自分の知っているコミカルな「ルパン」ではない「ルパン」とダンディーな登場人物たちが、シリアスかつスリル満点で動き回る姿やどんでん返しにドキドキしながら読んだのを覚えています。
「怪盗ルパン」の世界にすっかりはまってしまい、夏休みのあいだ公民館に毎日通って、シリーズを片っぱしから読み漁り、夏休みは「怪盗ルパン」漬けの日々を送っていました。
残念ながらシリーズすべてを読み切ることはできませんでしたが、公民館近くの全くひと気のない穴場の海岸にひとり立ち寄ってみたり、お小遣いを握りしめて公民館近くのファミレスでコーヒーゼリーを頼む(小3のお子様には苦かった…!)というプチ冒険をしたことも含めて、「怪盗ルパン」は小学校3年生の自分の大切な思い出であり、また本の虫人生が始まったきっかりとなりました。
またいつか今度こそ読破せねば!と思う今日この頃です。
…なんてことを考えていたら、なんと弊社で「怪盗ルパンシリーズ」の新訳版の印刷を担当させて頂いていたことが発覚!!
これも何かの縁ということで、今年の夏は久しぶりに「怪盗ルパン」の世界に浸ってみようかなと、密かに考えているところでございます。
【三十棺桶島】
https://books.kobunsha.com/book/b10135402.html