コラム
BPM200以下は子守歌
営業部
お盆の頃に学生時代からの友人4人でカラオケに行く機会があった。受付には現役を引退したと思しき年代のこちらも4人組の先客がいた。あれが自分たちの3、40年後の姿だと冗談を言う流れで、最近若い世代で昭和歌謡が流行っているという話になった。
平成キッズの自分がその時パッと思いついた昭和の名曲は「天城越え」と「DESIRE -情熱」の2曲で「天城越え」はサビしか知らない始末だったが、友人たちも似たり寄ったりの認識だったため、試しに天城越えを聴いてみようということになった。
ところで、最近の曲はとにかく速い。そして短い。前奏は無いし、音も歌詞も詰め込めるだけ詰め込まれていて、3分くらいで1曲が終わる。
個人的な好みで言えば近年のこの傾向は肌に合っているが、一方で「アイドル」や「Bling-Bang-Bang-Born」を聴いて育つ今の子どもは学校で習うような歌が聴けなくなるのではと思うこともある。
話はお盆の頃に戻り、カラオケの大画面に映された「天城越え」のコンサート映像。
しっかり目の前奏を終えて、4人全員がほぼ初めましてのサビ以外に思わず「へぇ~」とか「こんな歌なんだ」と声がもれる。そしてお待ちかねの「あまぎ~ご~え~」。
1番のサビが終わったところで、お腹いっぱいになってしまった。残り時間からすると、もう2セット+間奏だろうが耐えられない。周りの反応も芳しくなく、誰ともなく演奏中止を押した。
1つ念押ししておきたいが、速い曲が良い、ゆっくりの曲は悪いという話ではなく、単純に好みの問題ということだ。30年後の音楽シーンなど想像もつかないが、いま自分が好む3分ちょっとの曲もその世代を生きる者には物足りなく感じるのだろう。
冒頭の未来の4人組に追いついた時、「ジジイの子守歌」でも構わない。好きなものを好きでいられる自分でありたい、