コラム

東北6県ろ~るショー!!

営業部

先月のことになりますが、3月24日に『東北6県ろ~るショー!!』というバンドのライブに行きました。
Facebookから流用させていただきますと・・・
【東北を想う濃厚な音楽家、役者、美術家、東北伝統芸能に小説家や神様も引き連れて全国行脚中!】
というコンセプトのバンドです。
事前の予習なしで参加したのですが、とにかく圧倒されました!
ボーカルの白崎映美さんのパワフルかつ優しく不思議な歌声が響き、三味線・サックス・アコーディオン・ギター・打楽器・和太鼓・ヴァイオリン・フルートなどなど20種以上の楽器が織りなす、民謡のようなお囃子のようなビッグバンドのような琉球音楽のようなポップソングのようなとにかく色々な音楽に乗せて、世界一きれいな盆踊りが魅せたと思えば、かわいい狛犬シスターズとセクシーフラフープダンスのお姉さんが舞い踊り、そして獅子舞やついには超巨大な動くなまはげも現れ、お祭り騒ぎのてんこもりで、なんだかんだとあっという間の2時間半でした。
(↑言葉で表すのは難しいのですが、なんとなくごちゃごちゃ感が伝わりますでしょうか?)
その日は、ライブが始まる前まで1日中、心配ごとで頭の半分が埋まっていたのですが、パワフルな音楽につられて、気が付けば超満員の他のお客さんと一緒にノリノリで合いの手をいれてみたり手をふってみたり、終わるころには心配ごとが消え去ってすっかり元気になっていました。
ライブ後、白崎さんに握手をしていただきましたが、手の熱さと、年齢を感じさせないお肌のつやつや感に最後まで驚かされました。
次の日になっても、というか未だにですが、音楽が頭からはなれず、「CD買っておけばよかったな~」と後悔の日々。
6月に盛大にライブを行うそうなので、絶対に行こう!その時にCDも買おう!と心にきめているわけです。
(白崎さんの出身バンドである『上々颱風』は、平成狸合戦ぽんぽこの主題歌「いつでも誰かが」を歌っているので、声を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか)

160418このライブに行ったきっかけは、今回当社で印刷させていただいた未來社さん発行の木村友祐さん著『イサの氾濫』という書籍です(2012年 第25回三島由紀夫賞候補作)。
以下未來社さんホームページより。

40代になりいよいよ東京での生活に行き詰まりを感じていた将司は、近ごろ頻繁に夢に出てくるようになった叔父の勇雄(イサ)について調べるため、地元八戸にむかった。どこにも居場所のなかった「荒くれ者」イサの孤独と悔しさに自身を重ね、さらに震災後の東北の悔しさをも身に乗り移らせた彼は、ついにイサとなって怒りを爆発させるのだった。
 ――おめは、生ぎでいいのせ。ニセモノだの、空っぽだの、役(やぐ)立だずだの、そんなものぁどんでもいい。人の目なんが知るが。反省もすな。身勝手でもなんでも、イヤなものはイヤど、思いっきり、叫(さが)べ、叫べ。

『上々颱風』のボーカリストの白崎映美さんはこの小説を読んで、強い感銘を受け、想いを伝えるため(暴れるため?)に『東北6県ろ~るショー!!』を結成されたとのこと。
ライブの際も、三味線の旋律にのせて、著者である木村友祐さんによる東北弁の迫力あふれる朗読から始まりました。
文字だけでは伝わらない想いが会場全体にひろがり、そしてメンバーの音にもその熱い想いが宿っているようでした。
白崎さんと、カバーイラストを担当された漫画家のますむらひろしさんの強い想いとあと押しがあり、未來社さんより今年3月に単行本化されました。
こちらを不思議な表情で見つめるイサ猫が印象的なカバーとなっております。

老若男女多くの人に笑顔と元気を与えているバンドの結成のきっかけとなった小説の単行本化という機会にめぐまれ、印刷営業をしていてよかったな~と思う今日この頃です。

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